砂と水だけが続く、ブラジル北東の海辺に開けた白い砂丘の原。
雨季の終わりに窪地が満ち、砂丘のあいだへ翠の浅い湖が無数に灯る。
風の運ぶ白砂と季節の連れてくる水が、年ごと描き直す眺めである。
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砂が運ばれ水が溜まる
大西洋から吹き寄せる貿易風が、河口の運ぶ細かな白砂を内陸へ押し上げ、三日月形の砂丘を幾列も連ねていく。砂はいまも風下へ移ろい、奥へ進む。南アメリカで最も広いとされる砂の原は、海と風の長い受け渡しの果てに堆積した。
砂丘の下には水を通さぬ岩盤が伏し、雨季に落ちた雨は逃げ場を失って窪地へ留まる。1月から6月にかけての雨が砂のあいだを満たし、乾いた砂原のうえへ浅い湖を無数に生む。砂が水を濾すため、湖は澄んだまま季節のあいだだけ横たわる。

季節だけの湖
雨季が深まる7月ごろ、湖は最も水を湛え、園内のおよそ4割が水面に覆われる。長いものは100メートルに及ぶ。乾季へ向かえば水は蒸発と浸透で引き、同じ低みが乾いた砂へ戻る。現れては消える周期が、この地の眺めを1年として固定させない。
水が満ちる頃には、砂丘を縫う川が湖どうしを結び、魚が水路をたどって入り込む。乾季は泥の底で眠って越す種もあり、雨が戻ると目を覚ます。セラード・カーチンガ・アマゾンの生態圏が触れ合うこの縁で、砂と水のはざまに束の間の生がめぐる。

砂丘を越えて水際へ
裸足で砂丘を登ると、表面の砂は日中の陽に温められ、足裏に乾いた熱が伝わる。風が稜線の砂を細く飛ばし、刻んだ足跡は数刻のうちに消える。尾根を越えるたび視界が開け、白い起伏の向こうへ次の湖の青がのぞく。歩く者の足音だけが静けさに残る。
窪地へ下りて水に踏み込めば、雨の生んだ湖は温く澄み、足元に沈む砂の粒まで見通せる。正午の光は水面を強い青へ染め、午後が傾けば砂丘の影が水際へ伸びる。風がやんで水面が静まる夕刻、白い砂と橙の空が淡く色を移し合い、辺りは暮れていく。
日本からの行き方
日本からレンソイスへの道のりは長い。北米や中東、欧州のいずれかを経てブラジルへ渡り、サンパウロから国内線でマラニャン州のサンルイスへ向かう。空港からは陸路でおよそ4時間で玄関口のバヘリーニャスへ。片道はおよそ二日がかりの旅路となる。
砂丘の谷間に無数の青いラグーンが満ちるのは、雨季の水が残る六月から九月初旬にかけて。水量が最も豊かなのは七月から八月で、白砂とラグーンの対比が際立つ。九月以降は水位が下がり風景が痩せていくため、訪れる時期の見極めが旅の成否を分ける。
入場と予約
国立公園は通年で開かれ、入園料の徴収はなく、事前の予約制度も設けられていない。砂丘内へは認可を受けた四輪駆動車でのみ入域でき、当日にバヘリーニャスの認可事業者経由で手配する。来訪者の増加を受け、管理当局が入域数の上限を検討する段階にある。
訪問時の留意点
- ガイド砂丘内への入域は管理当局の認可を受けた四輪駆動車・公認ガイドの同行が前提で、個人車両での自力立入は実質的に困難。
健康と安全
赤道に近い北東部の砂丘は日射が強く日陰が乏しいため、帽子・日焼け止め・十分な飲料水を備えたい。マラニャン州は黄熱の推奨接種地域とされ、出発の10日以上前に接種を済ませておく。医療や薬局は玄関口のバヘリーニャス、本格的な医療は州都サンルイスが拠点となる。
現地の設備
拠点となるバヘリーニャスには宿・飲食店・スーパー・薬局・両替や現金引き出しの設備が揃い、滞在の利便は高い。一方、砂丘内には売店も飲料水もないため、水と食料は出発前に用意しておく。認可ツアーでは日除けの傘や椅子を用意する事業者もある。
モデル日程
ブラジル周遊9日の一例。往復の移動に各2日を要し、バヘリーニャスへの連泊で砂丘の核心を組み、サンルイスの歴史地区を帰路に挟む。
- 移動 2日
- サンルイス着 1日
- レンソイス 3日
- サンルイス 1日
- 帰路 2日
内訳
往路
サンルイス着
レンソイス
サンルイス
帰路
主要旅行会社の同方面ツアーに見られる標準的な組み立ての一例。日数・順序は商品により異なる。














































