北極圏の海から鋭く突き上がる、太古の岩塊と漁村の群島。
暖流が冬を凪に保ち、極北の光が水と岸をひといきに染めていく。
1000年続いた乾鱈の道が、波打ち際から今も沖へ伸びている。
ヨーロッパ
北アメリカ
地の底に滞った熱が、大地の表面へ絶えずせり上がってくる。
沸き立つ泉が青と橙の輪を描き、白い蒸気が高原の風にほどけていく。
人がその働きに手を触れず守ろうと定めた、世界で最初の国立公園である。
南アメリカ
赤道の真下に、大陸とつながったことのない火山島が点々と連なる。
冷たい海流が暖かい水を貫き、ペンギンと爬虫類が同じ岩で陽を浴びる。
どこの理にも属さぬまま、生きものが独りで進んできた島々である。
国境を跨ぐ熱帯雨林の奥で、川幅すべてが断崖から落ちている。
水煙は一日中立ちのぼり、虹は谷を斜めに渡って消えていく。
大地が裂けたまま、水は今もその縁から落ち続けている。
砂と水だけが続く、ブラジル北東の海辺に開けた白い砂丘の原。
雨季の終わりに窪地が満ち、砂丘のあいだへ翠の浅い湖が無数に灯る。
風の運ぶ白砂と季節の連れてくる水が、年ごと描き直す眺めである。
南パタゴニアの果てに、氷河が今も前へ動き続ける一帯がある。
青白い氷壁から塊が剥がれ、湖面に低く落ちて谷へ余韻を残す。
氷原と尖峰、二つの極が一つの国立公園の中に並んで横たわる。
アンデス内陸高地に広がる、世界でいちばん平らな白の大地。
雨季の薄い水膜は空を映し、天地の境界をやわらかく解いていく。
太古の湖が蒸発した跡に塩床だけが残り、空とその反射のあいだに広がる地である。
アフリカ
カラハリの乾いた大地に、行き場を失った川が静かに広がっていく。
遠いアンゴラの雨を記憶した水が、半年の遅れをまとって砂漠を満たす。
海へ届かぬ川がたどり着いた終点に、水と命の迷路が浮かんでいる。
アフリカ大地の裂け目に、川そのものが落ち、雷のような響きが立ち昇る。
立ち上がる白い噴霧は数百メートルの高さに達し、地上に逆さの雨を降らせている。
土地の人々はこれを古くからモシ・オ・トゥニャ、雷鳴轟く煙と呼んできた。








